第10独立山岳強襲旅団 (ウクライナ陸軍)
第10独立山岳強襲旅団 | |
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創設 | 2015年9月21日 |
所属政体 | ウクライナ |
所属組織 | ウクライナ陸軍 |
部隊編制単位 | 旅団 |
兵科 | 山岳兵 |
兵種/任務 | 山岳戦 |
所在地 | イヴァーノ=フランキーウシク州コロミア |
愛称 | エーデルワイス |
上級単位 | 西部作戦管区 |
担当地域 |
イヴァーノ=フランキーウシク州 チェルニウツィー州 |
戦歴 |
ドンバス戦争 ロシアのウクライナ侵攻 |
指揮官 | ミハイロ・シドレンコ大佐 |
第10独立山岳強襲旅団(だい10どくりつさんがくきょうしゅうりょだん、ウクライナ語: 10-та окрема гірсько-штурмова бригада)は、ウクライナ陸軍の旅団。西部作戦管区隷下。
概要
[編集]ドンバス戦争
[編集]2015年9月21日、ドンバス戦争の影響に伴い、山岳部隊の第10独立山岳歩兵連隊として、イヴァーノ=フランキーウシク州で創設された[1][2]。
2015年10月1日、部隊の増強に伴い、第10独立山岳強襲旅団に改編した。
2016年1月、第24独立機械化旅団隷下から第8独立自動車化歩兵大隊(第8独立山岳強襲大隊に改称)が配属された。
2016年3月、東部作戦管区隷下から第24独立突撃大隊アイダール、第46独立特務大隊ドンバス・ウクライナが配属された。
2016年5月から、ドンバス戦争に投入され、東部ドネツィク州、ルハーンシク州の前線に配置された。
2016年8月24日、ペトロ・ポロシェンコ大統領から、軍旗を授与された[2]。
2016年11月、第24独立突撃大隊アイダール、第46独立特務大隊ドンバス・ウクライナが東部作戦管区隷下に転属した。
2016年12月、第108独立山岳強襲大隊、第109独立山岳強襲大隊を新編した。
2018年8月24日、ペトロ・ポロシェンコ大統領から、第8独立山岳強襲大隊、第108独立山岳強襲大隊、第109独立山岳強襲大隊が軍旗を授与され、 同旅団がウクライナ軍で隷下の全独立部隊が軍旗を授与された初めての部隊となった[2]。
ロシアのウクライナ侵攻
[編集]北部・キーウ戦線
[編集]2022年2月24日から、ロシアのウクライナ侵攻では、第8独立山岳強襲大隊、第108独立山岳強襲大隊、第109独立山岳強襲大隊が戦略予備として北部キーウ州に配備され、3月に攻勢を開始し、4月上旬にロシア軍はキーウ州から撤退した[3][4]。
東部・マリウポリ戦線
[編集]2022年2月下旬、東部ドネツィク州マリウポリに配備され、4月上旬までマリウポリ港の一部を防衛していたが、市街地が制圧され、ウクライナ軍がアゾフスタリ製鉄所に籠城する前には撤退し、5月中旬にマリウポリは陥落した[5][6]。
北部・チェルニーヒウ戦線
[編集]2022年4月上旬、第8独立山岳強襲大隊が北部チェルニーヒウ州チェルニーヒウに配備され、ロシア軍はチェルニーヒウから撤退した[7]。
東部・セベロドネツク戦線
[編集]2022年6月下旬、第108独立山岳強襲大隊が東部ルハーンシク州セヴェロドネツィク地区リシチャンシクに配備されていたが、戦死320人、捕虜30人の損害で全滅したとロシア国防省が発表した[8]。
東部・バフムート戦線
[編集]2022年7月下旬、第108独立山岳強襲大隊、第109独立山岳強襲大隊が東部ドネツィク州バフムート地区シヴェルシクに配備されている[9]。
2022年11月、東部ドネツィク州バフムート地区ソレダルに配備されていたが、2023年1月中旬にソレダルは陥落した[10][11]。
2023年2月、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領から、名誉称号「エーデルワイス」を授与された。これに対しロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「ウクライナ軍の旅団がエーデルワイスという称号を受けた。ヒトラーの師団のようだ」と述べ、ロシア外務省も「ウクライナにナチスがいる証拠だ」と主張した[12]。
2023年5月5日、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領から、勇気と勇敢さに対する栄誉賞を授与された[13]。
東部・スヴァトヴェ戦線
[編集]2023年10月中旬、第108独立山岳強襲大隊が東部ルハーンシク州スヴァトヴェ地区マキイフカに配備された[14]。
編制
[編集]- 旅団司令部(コロミア)
- 第8独立山岳強襲大隊(チェルニウツィー)
- 第108独立山岳強襲大隊(チェルニウツィー)
- 第109独立山岳強襲大隊(クリヒウツィー)
- 戦車大隊
- 自動車化歩兵大隊
- 旅団砲兵群
- 指揮情報中隊
- 榴弾砲大隊
- 自走砲大隊
- ロケット砲大隊
- 対戦車砲大隊
- 対空ミサイル大隊
- 工兵大隊
- 整備大隊
- 補給大隊
- 偵察中隊
- 狙撃中隊
- 電子戦中隊
- 通信中隊
- レーダー中隊
- 化学防護中隊
- 衛生中隊
- エーデルワイス軍楽隊
出典
[編集]- ^ “新しい山岳強襲旅団がイヴァノフランキフスク地域に創設されます”. スティック
- ^ a b c “第10独立山岳強襲旅団のある日”. アーミーFM
- ^ “Сім років "Едельвейсам". 10 окрема гірсько-штурмова бригада відзначає річницю з дня створення”. サスピルン
- ^ “Від рук окупанта загинув мешканець Івано-Франківської громади Денис Болтян”. フィルトカ通信社
- ^ “Russian invasion update: Ukraine repels tank attack, captures six Russians in Mariupol”. ウクルインフォルム
- ^ “Fighting to the last man: GUY ADAMS reveals how, deep in a network of tunnels beneath the smoking ruins of Mariupol, a diminishing band of bruised and bloodied Ukrainian soldiers is still holding out against Russian savagery”. デイリー・メール
- ^ “Звільнення Чернігівщини через об'єктив кореспондентів Радіо Свобода”. ラジオ・フリー・ヨーロッパ
- ^ “Боевые потери и дезертирство из-за голода: Украинские военные терпят разгром под Лисичанском”. ライフ
- ^ “Watch: Ukrainian Mountain Assault Brigade Strikes Russian Unit”. ニューズウィーク
- ^ 第10独立山岳強襲旅団 テレグラム
- ^ “ウクライナ軍、ソレダルからの撤退を認める 反撃に備えたものと説明”. BBC
- ^ “【検証】 プーチン氏の年次演説、中身は正しいのか ファクトチェック”. BBC
- ^ ウクライナ大統領令 No. 265/2023 ウクライナ大統領府
- ^ Recap Deployment Map changes – Week 41 ミリタリー・ランド